いのちのために食べる
ビタミン教室
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不足すると…
山本純子さん(32歳)は、仕事でもプライベートでもプレッシャーを感じたり、気分が高揚したりすると、すぐに鼻血が出てしまうのが悩みの種です。友人との会話から、自分は生理時の出血が多いこともわかっていて、いつも貧血気味。生理時2日目には会社にいくのも困難な状態です。人間ドッグでの検査では異常は出ておらず、医師からは「体質による」と判断されたので、自分の体と上手に付き合いたいと思っています。
知って解決
対策
出血時、人間には血を固めて止める機能があります。そこで活躍しているのがビタミンKで、血液を凝固させるプロトロビンという物質の生成に欠かせない栄養素となっています。もともとビタミンKは出血を予防するビタミンとして発見され、生理時の多量出血を予防したり、打ち身などからの内出血を予防したり、また鼻血をよく出す人の改善などの働きがあります。
またビタミンKはカルシウムが骨にくっつくときに必要となるタンパク質の合成にも関っています。ビタミンDは筋肉のカルシウム量が減ったときに骨から分配する役目をしますが、ビタミンKは反対に骨からのカルシウムの支出を抑制しているのです。なのでビタミンKは骨粗鬆症の予防はもちろん、治療薬としても認可されています。
つまりビタミンDとKは臨機応変にカルシウムをコントロールする潤滑油の役目をしているのです。

ビタミンKが豊富に含まれている食品には次のようなものがあります。

K1
緑黄色野菜、植物油、マーガリン、豆類、海藻類、魚介類

■ K2 ■
納豆、アオノリ、鶏卵、肉類、乳製品

食べ物イラスト
ビタミンKは通常の食事を摂っていれば欠乏症はほとんど起こりません。ビタミンKは様々な食品中に存在しているし、また、腸内細菌が常に十分量のビタミンKをつくってくれるからです。また、多量摂取による障害もありません。
それでも鼻血が出たり、生理時の出血が多い人は、意識してビタミンKを摂ったほうがいいでしょう。
また新生児の生後1週間前後に起こる、便に黒っぽい出血があったら、新生児K欠乏症の可能性があります。