いのちのために食べる
ビタミン教室
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不足すると…
北川洋子さん(30歳・仮名)は自動車メーカーの調査部門に勤務していますが、一日中デスクワークということもあって、どうしても運動不足気味。久し振りに会った学生時代の友人から「太ったね」と何の気なしに言われてショックを受け、一念発起、現在、ダイエットに真剣に取り組んでいます。スポーツジムに通うと同時に食事に際しては野菜を中心にして肉類はいっさい口にしていないという徹底ぶりです。北川さんによれば「女の意地ですよね」ということなのですけれど・・・ 。
知って解決
対策
ビタミンB12は結晶がキレイな赤色をしていることから「赤いビタミン」と言われますが、植物性の食品には殆ど含まれず、肉類や魚貝類など動物性の食品に多く含まれている水溶性のビタミンなのです。化学名はコバラミン。野菜ダイエットは間違いなくビタミンB12不足をもたらすわけです。
ビタミンB12不足によって引き起こされる典型的な欠乏症は赤血球の生産に異常をきたす悪性貧血に他なりません。正確には巨赤芽球性貧血と言います。一般の貧血のめまい、立ちくらみ、動悸といった症状に加えて、手足のしびれ、ふるえ、意識障害などの神経症状、食欲不振、舌の炎症といった消化器症状をともなう貧血です。悪性貧血はビタミンB12を投与することで簡単に治すことができます。ただし、ビタミンB12の欠乏が更につづくと神経障害を招くことになり、知覚などに異常をきたすことになります。
ビタミンB12は葉酸とともに赤血球や神経細胞中の核酸の合成に際して補酵素として働くのです。正常な赤血球の生成や傷めた末梢神経の修復にかかわっているのです。過剰症の心配は必要ありません。注射などで大量に投与しても有害作用は見られないことから、上限量は設定されていません。
ビタミンB12の吸収には、胃から分泌される内因子と呼ばれる糖タンパク物質が必要となります。ところが、手術で胃を切った人や高齢で胃粘膜が萎縮している人は内因子が分泌されませんから、ビタミンB12の欠乏状態を引き起こします。ビタミンB12は腸では効果的に吸収されないのです。こうした場合、注射によってビタミンB12を補うことになります。
肩こり、腰痛、神経痛、目の疲れなども末梢神経の修復作用が低下することによって引き起こされる末梢神経障害ですから、ビタミンB12が有効だと言えます。疲労から解放してくれるビタミンの一つなのです。
ビタミンB12は中枢神経、すなわち脳への効果でも期待を集めています。実は、ビタミンB12は「脳に作用するビタミン」でもあるのです。夜、ベッドに入ってもなかなか寝つけなかったり、眠りが浅かったりという睡眠障害や海外出張や海外旅行による時差ボケの解消にビタミンB12の大量投与が有効なのです。

ビタミンB12が豊富に含まれている食品には次のようなものがあります。

肉類
牛レバー 鶏レバー 豚レバー 牛ヒレ

■ 魚介類 ■
しじみ すじこ あさり いくら 煮干 はまぐり カキ たらこ さんま

■ 海藻 ■
焼きのり

■ 卵・乳類 ■
牛乳 タマゴ

食べ物イラスト
ビタミンB12は葉酸ととると効果的です。またカルシウムととると吸収が良くなるとも言います。熱に弱いため煮物にする場合は煮込み過ぎないようにして、汁ごととるようにしましょう。