いのちのために食べる
ビタミン教室
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不足すると…
藤村順子さん(44・仮名)は中堅出版社の販売部に属し、書店営業の仕事をしています。自社から刊行した本を売り場の少しでも良い位置に平積みしてもらうため、書店の経営者や販売スタッフとのコミュニケーションを緊密にしなければなりません。そのため飲み会は仕事として欠かせません。藤村さんはお酒に弱い方ではないのですが、それだけに二日酔いに苦しむこともしばしばあります。
「一次会で済まずに二次会のカラオケなどにどうしてもお付き合いしなければならない場合もあって、そうすると二日酔いになりがちなんです」
知って解決
対策
ビタミンB3は「お酒好きに欠かせないビタミン」です。ビタミンB3はアルコールによる酔いや二日酔いの原因となるアセトアルデヒドを分解する効果があります。お酒をよく飲む人はアセトアルデヒドを分解する過程でビタミンB3を消費しますから、欠乏症に気をつける必要があります。
ビタミンB3はまた「冷え性に欠かせないビタミン」でもあります。ビタミンB3は抹消血管を広げ、血行を良くすることから、頭痛や冷え性を予防する働きがあります。ビタミンB3は全酵素の2割にあたる約450種類の酵素がビタミンB3を補酵素として、エネルギーをつくりだしているのです。肌荒れが気になる人や口内炎になりやすい人、胃腸の調子が悪い人も積極的にとるようにしましょう。
ビタミンB3を大量に投与することで悪玉コレステロールや中性脂肪を下げる効果もあります。血液中の悪玉コレステロールは、アポタンパクBと呼ばれているタンパク質にくるまれて運ばれますが、ビタミンB3を服用するとアポタンパクBを減らすことができるのです。高脂血症や動脈硬化の改善にはビタミンB3とビタミンEの合剤が有効であるのです。
ビタミンB3が不足すると頭痛、食欲不振、便秘、下痢を引き起こします。欠乏症によって引き起こされる典型的な病気がペラグラです。ペラグラは日光のあたる顔などが皮膚炎にかかり、下痢などの消化器症状をともない、欠乏が進むと中枢神経における認知障害を引き起こします。もっとも、現在の日本人の食生活からするとペラグラを心配する必要はそれほどありません。
過剰摂取の心配はほとんどないと言って良いでしょう。ただし、血液中のコレステロール値が高く、これを下げようと医薬的に服用すると皮膚のかゆみやほてりといった症状がでることがあります。

ビタミンB3は体内に最も多く存在するビタミンでもありますから、肉類、魚貝類、野菜類にいたるまで幅広く含まれていることで知られています。こんな具合です。

肉類
豚レバー 牛レバー 焼き豚 鶏ささみ 鶏むね肉 牛サーロイン

■ 魚介類 ■
たらこ まぐろ カツオ 煮干 ムロアジ さば いわし

■ タマゴ・乳類 ■
うずら卵 卵 カマンベールチーズ 牛乳

■ 種実 ■
落花生 ひまわりの種 洗いごま

食べ物イラスト
ビタミンB3は水溶性ですから、煮物にするときは煮汁と一緒にとることを心がけましょう。ビタミンB群と一緒にとると効果的です。